2020.07.01
コラム

「契約書のハンコ不要」、政府の見解により不動産業でも電子契約が標準化

電子契約に対する政府の見解が不動産業に与える影響

政府は、2020年6月19日、民間企業や官民の取引の契約書で押印は必ずしも必要ないとの見解を初めて示した。押印でなくてもメールの履歴などで契約を証明できると周知している。押印のための出社や対面で作業を減らし、テレワークを推進する狙いがある。

内閣府、法務省、経済産業省は同日、連名で押印に関する法解釈についてQ&A形式の文書を公表した。契約書に押印しなくても法律違反にならないかや民事訴訟法上のルールを明確にした。

文書は「特段の定めがある場合を除き、押印しなくても契約の効力に影響は生じない」と記した。
契約が成立したと証明するにはメールの本文や送受信履歴、契約の当事者を本人確認できる身分証明書の保存などが押印の代用手段になるとの見解を示した。

内閣府・法務省・経済産業省 押印とハンコの見解


不動産業界では、令和元年10月1日から令和元年12月31日まで、国土交通省による「重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験」が行われ、全国から113社が登録を行いました。

配布資料の中には、電子署名サービス提供事業者向けに用意された資料もあり、その中で

①印影は要件ではない。

②印の部分を含めて書面で作成し、書面を電子化した上で、電子ファイルに電子署名する形でもよい。(例えば、宅地建物取引士が用いたID及びログ等の記録などにより、電子署名を施した者が宅地建物取引士本人であることを確認できるシステム・サービス等を用いる場合も含まれています。

結果として今回出された政府の公式見解は、不動産業で行われた社会実験の要件を裏付けることとなった。今後、不動産業界においても電子契約がスタンダードとなることは間違いないと言えます。

国土交通省 電子署名サービス等の提供事業者向け参考資料

不動産取引の電子契約の課題[社会実験を踏まえて]

国土交通省は2020年3月30日、6回目となる「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会」(座長:中川雅之日本大学経済学部教授)を持ち回りで開催した。「賃貸取引における重要事項説明書等の電磁的方法による交付に係る社会実験」(以下、賃貸書面電子化)の結果報告の実施経過報告によると、

賃貸書面電子化の社会実験は、113社が参加し、2019年10月1日から3ヵ月間にわたり実施。宅建業法35条・37条に規定する書面を電磁的方法により交付し、借り主と宅地建物取引士にアンケートした。期間中、社会実験登録事業者の15%にあたる17社が書面の電子化を実施。109件のアンケートを回収した。109件の電子書面交付のうち、一連の手続きが完了したのは91件(83.5%)でした。

借り主アンケートでは、「電子ファイルを受領できない」、「電子ファイルを開けない」といったトラブルが発生した。なお、約9割がスマートフォンを用いて電子書面を閲覧していました。

 同省では、アンケートで指摘された問題の改善を図るため、社会実験の参加事業者や宅建士、電子署名サービス事業者等にヒアリングし、社会実験ガイドラインを改定。社会実験実施事業者も17社にとどまったことから、改定ガイドラインに基づき社会実験を継続する方針。7月に改定ガイドラインを公表、参加事業者を再募集し、9月~21年3月末までの7ヵ月間、社会実験を実施する意向を示しました。

不動産業における電子契約の今後

実施された社会実験は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける前というのがポイントと言えます。

実施当時とは異なり、日本国内の非常事態宣言(2020年4月7日)に伴い、テレワークが推進され非対面の取引が推奨されています。
また同時期、「ハンコを押すために出社した。」というコピーの広告が、SNS上で話題となり電子契約が広く認知されるようになりました。

新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波が控える状況下での社会実験では、実施件数も大幅に増加し、早期の法令改正が予想されます。不動産業における電子契約は想像以上に普及が速いのではないのでしょうか?

現在、電子契約サービスは様々なものがありますが、不動産業に特化したシステムはほとんどありません。
汎用的なシステムでは、不動産業の取引実態と適していない場合があり、法的要件を順守出来ていない可能性があります。

このため、電子契約を安心してご利用頂くためには、不動産業向けに専用に設計されたシステムと専門の担当者によるレクチャーが一番です。

そこでビットレックでは、不動産業に向けた電子契約サービス<e契約Ⓡ>を提供しています。
不動産の電子契約を中心とした資料を始めとして、それに併せた専用システムの提供。そして、契約の相手方への説明や法律に適合した契約書の雛形の提供を行っています。

現場での使いやすさを重視したため、どなたでも安心してご利用頂けます。
電子契約の導入を検討されている方は、お気軽に弊社までお問合せください。

◆「契約書へのハンコ不要」政府が見解を出す
◆賃貸書面電子化の社会実験では、再実験を実施
◆不動産業務に対応した電子契約システムの導入が大切